宮崎家庭裁判所 昭和48年(少)7494号 決定 1973年9月25日
少年 K・K子(昭三三・一一・一一生)
主文
この事件を宮崎県中央児童相談所長に送致する。
少年を親権者の意思に反しても教護院に入所させることができる。
少年に対して、昭和四八年九月二五日以降二ヶ月を限度としてその行動の自由を制限する強制的措置をとることができる。
理由
事件送致事由の要旨
少年は日南市立○○中学校二年在学中の昭和四七年七月二八日怠学に続く不純異性交遊のため宮崎県○○児童相談所において一時保護の措置がとられたところ、同年八月六日同所を逃走山口県下で補導され直ちに山口県○○児童相談所より移送をうけて再保護したが、少年の兄の願いにより家庭に復帰させた。しかし、家庭復帰後も怠学、外泊、不純異性交遊は改まらず、同年一〇月一五日無断家出中を宮崎県○○児童相談所に一時保護したのを機会に親権者の承諾を得て同年一〇月二〇日教護施設である宮崎県立○○学校に入所させたのであるが、その後も逃走、不純異性交遊をくり返しているものである。
少年をこのまま放置することは、その福祉上危険性が高くまた、逃走をくり返す結果効果的な矯正教育を実施することができないので、相当期間強制的措置をとる必要がある。
当裁判所の判断
本件調査、鑑別、審判の結果を総合すると、本件送致事由のすべてが認められ、また、少年の知能、性格、経歴、家庭環境等一切の事情から、少年を適宜その行動の自由を制限しうる教護院に入所させ基本的な生活指導を中心に教護を受けさせることが必要と認められる。
なお、期間については二ヶ月を限度として強制的措置をとることが相当である。
よつて、少年法第一八条第二項により主文のとおり決定する。
(裁判官 大西リヨ子)